上の子のケアをしてもらえるのが、里帰り出産のメリット。でも、お父さんの育児参加が遅れるというデメリットもあります。

種部恭子先生
種部恭子先生
女性クリニックWe! TOYAMA 代表

里帰り出産の場合も「お父さん育て」を大切に

出産も不安だし、産後の生活に手助けが必要だし、2人目以降の場合は入院に備えて上の子どもをみてほしいし、と里帰り出産をお考えの方もいることでしょう。その場合、妊娠初期は現在お住まいの地域で健診を受け、妊娠後期に里帰りをし、その後の健診は出産する病院で行うのが一般的です。ただ、里帰り出産を扱う病院のシステムによっては、妊娠初期または中期に一度受診しておく必要がある場合もあります。里帰り出産を扱ってもらえるかどうか、受診や里帰りの時期はいつがよいのか、健診を受ける施設と出産をする施設の主治医に、必ず確認しておきましょう。切迫早産(せっぱくそうざん)や妊娠合併症(がっぺいしょう)のため急な入院治療や安静が必要になった場合、里帰りができなくなることもあります。里帰りできない場合のことも想定して準備を進めましょう。

里帰り出産の最大のメリットは、2人目以降の場合、入院するときに、ご実家で上の子をみてもらえることです。逆にデメリットは、「お父さん」のスタートが遅れるかもしれないこと。お母さんに比べると「お父さん」が育つのは難しい。でも、これからの長い子育てを考えると、パートナーがお父さんになるのはとても重要。不安でいっぱいの出産、「なんで泣いているのかわからない」「どうしたらいいの?」という赤ちゃんとの生活を、いっしょに悩み苦しみながら「なんとかしよう!」と乗り切ることが、お父さんになる第一歩です。里帰り出産する場合もできるだけ早く家に戻り、お父さんにも主体的に子育てに関わってもらうことが、ふたりで子育てスタイルの始まりになるでしょう。

お父さんが仕事を休めない場合、里帰りではなく、ご実家の家族に来てもらい、生活の手助けをしてもらいながら、お父さんにもこの時期をいっしょに過ごしてもらうのもひとつの選択肢(せんたくし)です。

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出産と母乳以外は男性でもできるはず

家族が増える大切な時間を過ごすときこそ、お父さんも育休を取ってみてはいかがでしょう『仕事と子育て~両立に向けたコツ』参照。育休を取ることができなくても、いつもより早く家に帰って赤ちゃんと過ごし、お母さんにお休みをあげてください。お母さんに負けないぐらい子育てのプロになってほしいと思います。