妊娠中のママ

※こちらの記事は、前回の「出産なびについて知ろう。①出産施設を探すのは大変だった? 先輩ママたちのリアルな声」の続きです。

出産施設の探し方・選び方において、気を付けるべきポイントは?

全国2000以上の出産施設を検索して詳細を調べることのできる、厚生労働省のウェブサービス「出産なび」。妊婦さんにとってうれしい便利なサービスですが、このサイトを使いはじめるその前に、まずは正しい基礎知識を身につけておきたいところ。

そこで、昭和医科大学 医学部産婦人科学講座 主任教授の関沢明彦先生にインタビュー。出産施設の探し方や選び方の基礎的な考え方について、お話をうかがいました。

出産施設を探す際に知っておきたい知識

出産施設の種類を理解しておく

総合病院・大学病院、周産期母子医療センター、産婦人科クリニック、助産院などがあり、それぞれ設備や対応できる医療の範囲が異なります。

分娩に伴う処置を知っておく

経腟分娩、帝王切開、無痛分娩などの分娩方法や、分娩に伴う処置も知っておくと施設選びの参考になるでしょう。

自身にあった妊婦健診を把握しておく

妊婦健診は大体14回ほど通うことになります。セミオープンシステム(※1)や助産師外来(※2)などの仕組みも理解していると、自分に合った妊婦健診の方法を選択できるでしょう。

※1 セミオープンシステム:妊婦健診は自宅や職場近くの助産院や診療所で受診し、出産は高度な設備をもつ病院で行うシステムのこと。診療待ち時間や、通院の負担を減らせる。
※2 助産師外来:病院や診療所において、助産師が妊婦健診や保健指導を行うこと。妊娠中のお悩み相談などを気軽に行える。

産後ケアについても考えておく

産後の母子同室・別室などの赤ちゃんとの関わり方や産後ケアについて知っておくと、困ったときに役立ちます。これも安心して出産を迎えるための準備ですので、ぜひパートナーと一緒に調べてみてください。

出産施設選びのポイント

出産は人生の中でも大切なライフイベントの一つですが、最優先なのはお母さんも赤ちゃんも無事に出産を終えることです。助産院やクリニック、総合病院や周産期母子医療センターなど施設ごとの特徴を理解し、リスクに応じた施設を選びましょう。

アクセスの良さ

アクセスの良さも大切で、セミオープンシステムも選択肢のひとつです。

希望の出産方法

立ち会い出産や無痛分娩、母子同室の可否など、ご自身の希望に合う施設を確認しましょう。産後ケアや産前産後のサポート体制の有無もポイントです。

費用面

費用面では、出産育児一時金の直接支払制度への対応もチェックしましょう。可能なら施設を見学するなど、実際の雰囲気を知ることも重要です。

出産施設の情報の調べ方

病院をスマホで調べる妊婦

出産施設の情報は、「出産なび」やJALAサイト(※3)の検索機能などの全国の施設を調べられるサイトが便利です。

その他、施設の公式ホームページや SNS で最新情報や雰囲気を確認したり、地図検索アプリを使って、自宅からの距離や移動手段も確認するといいでしょう。

※3 JALAサイト:無痛分娩の基礎知識や、安全性向上のための各施設の取り組みを掲載する、JALA(無痛分娩関係学会団体連絡協議会の略)のウェブサイト。このサイトに掲載された施設は、無痛分娩の診療体制や実施件数など、必要な情報公開をきちんと行うといった条件を満たしているのが特徴。

次の記事では、「出産なび」の具体的な使い方についてご紹介します。

【次の記事】

出産なびについて知ろう。③「出産なび」の使い方あれこれ