妊娠中のお肌には、さまざまな変化が起こります。シミや妊娠線には早めのケアがおすすめです。

対馬ルリ子先生
対馬ルリ子先生
医療法人社団 ウィメンズ・ウェルネス/女性ライフクリニック銀座 理事長

妊娠するとお肌に変化が

妊娠中のお肌は、女性ホルモンの増加、新陳代謝の活発化、メラニン色素の増加の3つの大きな特徴によって、さまざまな変化があります。まず、女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンが増えるので、ホルモンの作用によって皮脂(ひし)の分泌(ぶんぴつ)が過剰になり、ニキビができやすくなります。また、新陳代謝がさかんになってたくさん汗をかき、かゆみや発疹(ほっしん)が出やすくなります。メラニン色素は、メラノサイトという色素細胞が、女性ホルモンによって刺激されて分泌(ぶんぴつ)されますが、そのために妊娠中はシミ、そばかすが増えたり、わきの下、乳首、外陰部などが黒ずんできます。正中線(せいちゅうせん)というおなかのまん中の線が濃くなる人もいます。妊娠中に多い肌トラブルの対処法についてご紹介しましょう。

基本は清潔と保護・保湿です

妊娠中は、皮脂(ひし)の分泌(ぶんぴつ)がさかんなのに、乾燥しやすく敏感です。タオルでゴシゴシこすらず、優しくぬるま湯で洗い流し、刺激の少ないローションや乳液、オイルなどで保湿・保護します。シンプルなケアをこまめに。ふだんと同じ化粧品で大丈夫ですが、オーガニック化粧品も販売されています。

紫外線ケアや妊娠線(ストレッチマーク)対策を

日光に当たるとシミが増えてしまいます。外出するときには、日焼け止め、日傘、帽子、サングラスなど万全の防御を。かんきつ類、じゃがいも、パプリカなど、ビタミンCもたっぷり摂(と)りましょう。妊娠線は、急激な皮膚の伸びに皮下のコラーゲンや弾性線維の伸びが追いつかず、断裂してしまうことによって起こる、赤紫色のギザギザした線です。皮膚を柔らかく、伸びをよくすること。専用のマッサージクリームもあります。アロマセラピーでは、例えばアルガンオイルやスイートアーモンドオイルにネロリを数滴たらしマッサージするなどします。体重コントロールも大事です。

ヘアケアと脱毛予防

妊娠中は女性ホルモン作用によって頭髪がしっかりしボリュームも出ますが(からだ中が毛深くなることも)、産後は逆に脱毛が進みます。出産前からアミノ酸系シャンプーやノンシリコン、ローズウォーターやクレイ等が含まれた質のよいシャンプーを使って抜け毛対策を。