パートナーや家族が出産に立ち会うことを、立ち会い出産といいます。 貴重な経験ですが、義務ではないので、ふたりで話し合って決めましょう。
いっしょにがんばるために
通常は陣痛(じんつう)室から分娩(ぶんべん)室へ移動するときにご夫婦は離ればなれになってしまいますが、立ち会い出産では分娩(ぶんべん)室までずっといっしょにいることができるので、安心感が強くなります。パートナーにとっては妻が母となり家族が増える瞬間に立ち会えることの感動、分娩(ぶんべん)の神秘を感じることができる、とても貴重な経験となります。
一方で立ち会い出産をおすすめしにくい場合もあります。血が苦手だったり、妻が苦しんでいる 様子を近くで見るのがつらいと思う場合は、立ち会いはあまりおすすめしません。病院側としても、マナーの守れない人の立ち会いは断ることがあります。立ち会い出産の真の意味は「立ち会い、いっしょにがんばる」ためであって、「立ち会って見物する」ことではありません。そう考えると、がんばっている妊婦さんの姿をビデオやカメラで記録に残すことに専念してしまうことは、適切でない場合もあります。施設によっては撮影を許可していない場合もありますので、事前に確認するようにしましょう。
立ち会う場合は出産についての知識を
立ち会い出産を選択された場合は、事前に出産についての知識を身につけておくことをお願いしています。事前知識を持たないまま出産に立ち会うと、処置の妨(さまた)げになってしまい、妊婦さんが適切な医療行為を受けられなくなってしまう場合があります。緊急時には、多くの医師や助産師が分娩(ぶんべん)室に詰(つ)めかけて処置を行うこともあり、その際には一時退出をお願いする場合もあります。
最後に、「立ち会い出産をすることが父親になる条件ではない」ことをご理解ください。妊娠中に時間をかけてふたりで話し合って、立ち会い出産をするかどうか決めていただければ幸いです。