予防接種によって多くの病気を防ぐことができます。
いつ、どのワクチンを接種するか、かかりつけ医と相談しながら進めましょう。

多屋馨子先生
多屋馨子先生
神奈川県衛生研究所 所長

接種スケジュールを立てて、忘れず予防接種を

子どもがかかる可能性のある病気はたくさんありますが、予防接種(ワクチン)によって予防できるものもたくさんあります。国が定めた定期接種のワクチンは、ほとんどの場合、無料(全額公費負担)で受けることができます。0~1歳は、特に接種スケジュールが過密ですが、かかりつけ医とよく相談して、そのお子さんに適した接種スケジュールを決めましょう。ワクチンごとに、接種間隔、接種回数、接種時期が決められていますので、よく確認してください。

日本の定期・任意予防接種スケジュールの一例を右の表に示しました。定期接種を受けられる時期には幅がありますので、お子さんの体調、基礎疾患の有無、生活環境(保育所入所の有無、兄弟姉妹の有無など)、感染症の流行状況などをもとに、かかりつけ医とよく相談して、それぞれに合った接種スケジュールを立てましょう。

1回の受診で複数のワクチンを別々の場所に接種する同時接種が多く行われるようになりました。医師が特に必要と認めた場合は同時接種が可能です。乳幼児の場合、上腕外側と大腿前外側が接種部位としてよく使われます。1 回に受けるワクチンの数に制限はありません。ただし、注射の生ワクチンを接種した後、別の種類の注射の生ワクチンを受ける場合は、最低でも中 27日以上あける必要があります。月曜日に接種したら4週間後の月曜日以降から接種可能になります。一方、不活化ワクチンや新型コロナで使われているmRNAワクチンの場合、経口の生ワクチンの場合は、別の種類のワクチンを受けるまでの間に接種間隔の制限はなくなりました。ただし、接種前には、発熱がないこと、接種部位の腫脹(しゅちょう)や発赤(はっせき)がないことなど、体調をよく確認してから接種を受けてください。

BCGワクチン以外のワクチンはすべて複数回接種です。一定の間隔をあけて、2~4回接種することになります。一度では十分な免疫がつかないことがあるため、追加接種をして確実に免疫をつけるためです。同じ種類のワクチンを複数回接種する場合は、ワクチンによって接種間隔が定められていますので、間違って接種してしまったということがないように十分に注意しましょう。

0歳から13歳までの予防接種スケジュール