医療法人 柏木産婦人科 院長 柏木智博

産み育てる自信がないあなたへ
妊娠がわかったとき、「育てる自信がない」と感じる人は決して少なくありません。産み育てる自信がなくても、まずは早期に産婦人科を受診して、診断を
受けてください。異所性妊娠(子宮外妊娠)などの危険な状態である場合、あなた(妊婦さん)の命に関わることもあります。それを医師が確認すること
は、産む意志があるかないかにかかわらず、ご自身の安全のために、絶対に必要です。産むか産まないかの選択は、その後のステップです。
その上で、育てられない事情があるときには、「産まない」という選択肢もあります。母体保護法では、妊娠21週6日までであれば、人工妊娠中絶が認められています。認められるのは、身体的・経済的な理由で母体の健康を害するおそれがある場合や、性暴力などによる妊娠の場合です。原則としてパートナーの同意も必要ですが、未婚であったり、性暴力による妊娠であったりするなど、事情によっては本人の同意のみで手術が受けられます。
中絶は妊娠週数によって治療方法や心身への負担が大きく変わります。特に妊娠中期(12週以降)は入院が必要となり、お産に近い形になるため負担が多くなります。もし中絶を選ぶのであれば、身体への負担が比較的少ないできるだけ初期に手術を受けることが望まれます。パートナーに相談できる状況であれば、よく話し合いをしてください。中絶費用は妊娠初期で約10万~20万円ですが、妊娠の診断を受けて役場に届けを出せば、中絶でも妊婦支援給付金が受けられます(妊娠認定時5万円、妊娠終了後子どもの人数×5万円)。
中絶できる期間を過ぎてしまったとしても、赤ちゃんを産んだのち児童福祉施設に預ける、子どもを望んでいる家庭に養子に出すなどの方法があります。
どうか、決して1人きりで産むことのないよう、必ず周囲に助けを求めてください。全国には、にんしんSOS相談窓口も設置してあり、誰でも利用可能です。
全国のにんしんSOS 相談窓口
https://zenninnet-sos.org/contact-list

