和歌山県立医科大学 教授 上田豊
- 妊娠中には生ワクチンの接種NG。不活化ワクチンはOK
- 妊娠中に接種できないものは、産後早めに受けましょう
- 妊娠20週頃までに感染すると危険な風疹は、パートナーも対策を
妊娠中は不活化ワクチンのみOK 産後は授乳中でもOK
妊娠中に感染症にかかると、おなかの赤ちゃんにも影響を及ぼすことがあります。それを防ぐのが予防接種(ワクチン)の役割です。
ワクチンには、病原体の毒性を弱めた「生ワクチン」と、感染力のない成分を使った「不活化ワクチン」があります。インフルエンザワクチンや2026年4月から妊娠後期の定期接種になったRSウイルスワクチンは不活化ワクチンです。妊婦さんの重症化予防のほか、生後6カ月までの赤ちゃんの発症を減らすという報告もあります。
産後は、授乳中であってもすべてのワクチン接種が可能です。早めに受けておきましょう。
胎児にも感染する風疹 周囲の人の協力も重要
風疹は、特にワクチンで予防したい感染症です。妊娠20週頃までに風疹ウイルスに感染すると、胎児に心疾患や難聴、白内障などの先天異常をもたらす「先天性風疹症候群」の原因となります。
風疹を予防する MRワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。妊娠してから風疹の抗体を持っていない、または抗体価が低いとわかった場合は、不要不急の外出を控えるなどして感染予防に努め、産後早めに予防接種を受けましょう。
風疹はパートナーの予防も大切です。過去の制度改正などにより、抗体が低くなっている場合もあるため、必ず検査をしてもらいましょう。
妊娠前・妊娠中・授乳中に接種できるワクチン
・インフルエンザ
・新型コロナウイルス
・RSウイルス
・百日咳(三種混合ワクチン[DPT:破傷風・ジフテリア・百日咳])
妊娠中に接種できないワクチン(妊娠前や授乳中に接種を)
・風疹
・はしか(麻疹)
・みずぼうそう(水痘)
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

