東北大学病院 教授 齋藤昌利
妊娠すると、赤ちゃんの成長とともにお母さんの身体も大きく変化していきます。
妊娠の成立から出産までの流れを見ていきましょう。
お母さんの様子
【妊娠初期】1カ月(妊娠0~3週)

排卵・受精・着床・妊娠の成立です
最終月経の開始日を妊娠0週0日として数えます。およそ14日後に排卵があり、卵管で卵子と精子が出会って受精すると、受精卵は細胞分裂を繰り返しながら子宮に送られ、約6日かけて着床します。科を受診しましょう。
hCGの分泌がスタート
胎盤の一部となる絨毛が作られ、妊娠を維持するホルモン「hCG」(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の分泌が開始。妊娠検査薬が反応するのは妊娠4~5週から。
【妊娠初期】2カ月(妊娠4〜7週)

赤ちゃんの心拍で妊娠確定
妊娠していれば、4〜5週には妊娠検査薬が陽性に。妊娠5週頃には超音波検査で胎嚢という赤ちゃんの袋が見えるので、産婦人科へ行き、子宮内への着床を確認しましょう。妊娠6週以降に赤ちゃんの心 拍が確認できれば、妊娠確定です。つわりの症状が現れることも月経の遅れで妊娠に気づく頃、早くもつわりが始まる人も。「身体がだるい」「熱っぽい」といった症状が現れることもあります。
つわりの症状が現れることも
月経の遅れで妊娠に気づく頃、早くもつわりが始まる人も。「身体がだるい」「熱っぽい」といった症状が現れることもあります。
【妊娠初期】3カ月(妊娠8~11週)

つわりがピーク 無理をせずに
役場に妊娠届を出して、親子(母子)健康手帳をもらいましょう。つわりは個人差があるものの妊娠8~10週頃がピーク。眠気や身体のだるさも強くなる時期です。無理をせず、十分な睡眠と休養を心がけて過ごしてください。
出産予定日の確認・修正
超音波検査で赤ちゃんの頭殿長 (頭の先からおしりまでの長さ)を測り、出産予定日の確認(修正)をします。
子宮が大きくなり、お母さんの膀胱圧迫されて頻尿になり始める人も。
【妊娠初期】4カ月(妊娠12~15週)

つわりが徐々に落ち着く頃です
つわりが少し楽になる人が多い時期です。体調が落ち着いたら1日3食バランスよく食べて、赤ちゃんに栄養を届けましょう。胎盤が完成し、へその緒を通じて赤ちゃんに血液を送るためにお母さんの心拍数が増加します。
妊婦健診は経腹エコーに
妊婦健診の超音波検査が、 経腟から経腹へ。妊娠14~15週になるとおなかも少しふくらんできます。ゆったりとした服装に変えましょう。
【妊娠中期】5カ月(妊娠16~19週)※いわゆる「安定期へ」

おなかのふくらみが目立ってきます
赤ちゃんがぐんぐん成長し、おなかのふくらみが目立ち始めます。体調がよければ、少しずつ赤ちゃんを迎える準備を始めましょう。大きくなった子宮が胃や肺を圧迫し、動悸や息切れを感じることもあるので無理は禁物。
体重が増えすぎないように注意を
つわりが落ち着き、食欲が戻ったら、体重が一度に増えすぎないよう気をつけて。体調がよければ適度な運動を始めるのもおすすめです。
【妊娠中期】6カ月(妊娠20~23週)

初めての胎動を感じる頃
胎動の感じ方は人それぞれですが、初産婦は妊娠20週頃、経産婦は妊娠18週頃から、おなかの中で赤ちゃんが動いているのを体感します。ぴくっぴくっとした痙攣のような動きは、赤ちゃんがしゃっくりしているのかも。
便秘に悩むかもしれません
妊娠中はホルモンの影響で便秘になりやすく、痔に悩むことも。食物繊維と水分を意識してとりつつ、つらいときは妊婦健診で相談を。
【妊娠中期】7カ月(妊娠24~27週)

おなかがぐんと大きくなります
おなかが大きくなり、前かがみやあおむけの姿勢が苦しくなります。寝るときは体の左側を下にして休みましょう。貧血になりやすいので、起き上がるときは立ちくらみに注意して。妊婦健診は2週に1回になります。
足がむくみやすくなるかも
大きなおなかが血管を圧迫するので、足がむくみやすくなる人もいます。同じ姿勢を長時間とらないようにして、塩分を控えめに。
【妊娠後期】8カ月(妊娠28~31週)

おなかが張るときは休憩を
おなかが張るとは、子宮が収縮しておなかが硬くなった状態のこと。妊娠後期には、おなかが張ることが増えますが、横になって休むとおさまるようなら心配ありません。激しい収縮が続くとき、出血を伴うときは病院へ。
乳房の変化は子育ての準備
乳房は母乳の準備を始めています。ホルモンの影響で乳首が黒ずんできますが、授乳期間が終わると徐々に薄くなっていくことが多いです。
【妊娠後期】9カ月(妊娠32~35週)

子宮に押され、息苦しいことも
大きくなった子宮が胃や心臓、肺を押し上げるので、胃のムカムカや息苦しさを感じます。膀胱も圧迫されるのでトイレが近くなり、くしゃみなどで尿漏れすることも。おなかもますます張りやすいので、休息を多めに。
日常の動作が大変になります
足元が見えにくくなるので、靴下をはく、爪を切るなどの日常の動作が困難になります。転倒にも注意を。腰痛に悩まされる人も少なくありません。
【妊娠後期】10カ月(妊娠36~39週)※いよいよ出産

リラックスして出産を待つ
出産が近づくと、赤ちゃんは頭を骨盤内に入れて生まれる準備を整えます。代表的なお産の始まりは、おしるし(少量の出血)、陣痛、破水のいずれか。リラックスしてそのときを待ちましょう。妊婦健診は週1回に。
おりものが増えるかも
赤ちゃんの位置が下がると、苦しかった胃が少し楽になります。白っぽいおりものが増えて、破水と紛らわしい場合も。
赤ちゃんの様子
【妊娠初期】1カ月(妊娠0~3週)

卵割を繰り返し、受精卵から胚へ
受精から着床までは約6日間。受精卵は胎児になる部分と胎盤になる部分に分かれ、胚盤胞へと成長します。
【妊娠初期】2カ月(妊娠4〜7週)

しっぽがあってまるで魚みたい
胎芽とよばれる時期。しっぽのようなものが見られるなど、原始的な姿をしています。
【妊娠初期】3カ月(妊娠8~11週)

短い手足が見えるかも
妊娠8週になると胎芽から胎児へ。妊娠10週頃には超音波検査で赤ちゃんの手足が動いているのが見えます。
【妊娠初期】4カ月(妊娠12~15週)

赤ちゃんらしい3頭身に
器官形成期が終わり、内臓の形もほぼ完成。赤ちゃんはもう、羊水を飲んでおしっこをしています。
【妊娠中期】5カ月(妊娠16~19週)※いわゆる「安定期へ」

そろそろ性別がわかるかも
赤ちゃんの身体上の性別は受精時に決定していますが、妊娠17~18週頃には超音波検査で外性器の形を確認できるかも。
【妊娠中期】6カ月(妊娠20~23週)

聴覚が発達し、音に反応します
耳の機能が発達し、大きな音に反応し始めます。お母さんの心臓の音も聞こえているはず。
【妊娠中期】7カ月(妊娠24~27週)

元気な胎動に驚くことも
手足が伸びて、生まれる頃に近い4頭身に。胎動も力強くなり、キックで夜中に起こされるかも。
【妊娠後期】8カ月(妊娠28~31週)

肺呼吸の練習をしています
目の網膜が完成し、外の明るさに反応しています。羊水を飲むときに横隔膜を動かして、呼吸の練習中。
【妊娠後期】9カ月(妊娠32~35週)

20分ごとに寝たり起きたり
おなかの中で睡眠と覚醒を20分おきに繰り返しています。動き方で寝起きしていることがわかるかも。
【妊娠後期】10カ月(妊娠36~39週)※いよいよ出産

外に出る準備が整いました
出産が近づくと、赤ちゃんは以前ほど活発に動かなくなりますが、全く動かなくなることはありません。

