高知医療センター 副院長・地域医療センター長 林 和俊

流産を経験したあなたへ
まず、お伝えしたいのは、妊娠の早い時期での流産は、誰のせいでもないということです。流産は全妊娠の10~15%に起こるといわれ、その原因の多くは、受精卵の染色体異常など、受精時の偶然の出来事によるものです。誰にでも起こりうる可能性があり、何をしていても、残念ながら避けられなかった可能性が非常に高いのです。
とはいえ、つらい気持ちを無理に我慢したり、抑え込んだりする必要はありません。泣きたいときは我慢せず泣き、誰とも話したくなければ、無理に話さなくて構いません。周りの人からの励ましが、かえってつらく感じられるときも、無理して元気に振る舞わず、まずはご自身の心と身体をいたわることを最優先にしてください。体調が戻り、次の妊娠について考える心の準備ができるまで、焦らずにご自身のペースで過ごしてください。
なお、初期流産を2回、3回と繰り返す場合は「不育症」の可能性も考えられます。
死産を経験したあなたへ
このたびは、大変つらい経験をされましたね。大切な赤ちゃんとの別れに、今はまだ言葉が見つからないかもしれません。
「あのとき、ああしていれば」という気持ちが湧いてくることもあるかもしれませんが、どうかご自身を責めないでください。死産の原因は、赤ちゃんの染色体異常、胎盤、臍帯の異常、母体の疾患などさまざまです。偶発的でもあり、そうでないものもあります。悲しみ、怒り、喪失感……どんな感情も、赤ちゃんを大切に想っていたからこそ湧き上がる自然なものです。無理に乗り越えようとする必要はありません。
パートナーと悲しみの表現が違って戸惑うこともあるかもしれませんが、それぞれのペースがあります。気持ちの整理がつかず、つらさが続くときは決して1人で抱え込まず、医師や助産師、地域の保健師、カウンセラーなどの専門家や同じ経験をした人たちのための場所(ピア・サポート)を頼ってみてください(流産・死産等を経験された方へ|こども家庭庁)。
流産 · 死産等を経験された方へ(こども家庭庁)
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/ryuuzan/

