南相馬市立総合病院 副院長・産婦人科主任科長 安部 宏

- ホルモンの影響で腸の動きが鈍り、妊娠中は便秘になりがち
- 便秘や子宮の圧迫で、痔(いぼ痔・きれ痔)になることも
- 水分と食物繊維を摂り、早めに医師に相談を
妊娠中は便秘になりやすい 自己判断で薬を飲まず相談を
妊娠すると、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増えます。このホルモンには腸のぜん動運動を抑えるはたらきがあります。妊娠後期になると大きくなった子宮が腸を圧迫して、さらに動きが悪くなり、便秘を引き起こすことが。これが、妊婦さんに便秘が多い原因です。
対策の基本は 4つ。①朝起きたらコップ 1杯の水を飲む。②水分と食物繊維を十分に摂る。③ヨーグルトなどで腸内環境を整える。④適度な運動をすることです。
症状がつらいときは薬が有効ですが、便秘薬には流産や早産を招くものもあるので、自己判断で飲まずに、まずはかかりつけ医に相談を。
便秘を悪化させないことが大切 痔のセルフケア
痔は妊婦さんが抱えやすいマイナートラブルの 1つです。便秘で強くいきんだり、大きくなった子宮が肛門周辺の血管を圧迫して血流が悪くなったりすると、痔(いぼ痔・きれ痔)になりやすくなります。
痔を防ぐには、まずは便秘を悪化させないことが大切です。便意を感じたら我慢しないこと、トイレで無理にいきまないことを意識しましょう。また、おしりを清潔に保つこと、お風呂で温めて血行をよくすることも大切です。
痛んだり、出血したりする場合は、恥ずかしがらず医師に相談してください。妊娠中でも使える塗り薬や飲み薬を処方してもらえます。

