順天堂大学医学部附属浦安病院 教授 牧野真太郎

- 妊娠中は、赤ちゃんの成長と血液量の増加で鉄分不足に
- 立ちくらみや息切れ、だるさは貧血のサインかもしれません
- 食事からの鉄分摂取を心がけ、必要なら鉄剤で補いましょう
妊娠中は貧血になりやすい 適切な管理を心がけて
貧血とは、血液中の赤血球や血色素(ヘモグロビン)の量が基準値よりも減少した状態のことです。
妊娠中は、赤ちゃんに酸素や栄養を運ぶため、お母さんの体内の血液量が通常時の1.5倍近くまで増えます。しかし、赤血球の増加が血液全体の増加に追いつかず、血液が水で薄まったような状態(水血症)になります。さらに、赤ちゃんの体や血液を作るために多くの鉄分が使われます。そのため、お母さんは「鉄欠乏性貧血」になりやすいのです。
貧血になると、動悸、息切れ、めまい、だるさなどの症状が出ます。出産時の出血に備えるためにも、妊娠中に改善しておきましょう。
食事での補給を中心に 鉄剤で補うのも有効
貧血の予防・改善には、鉄を意識して摂ることが大切です。鉄には、肉や魚(赤身肉、レバー、カツオなど)に含まれるヘム鉄と、野菜や豆類(ほうれん草、小松菜、ひじき、納豆など)に含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよく、また、ビタミンCや動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収率がアップします。なお、コーヒーや紅茶に含まれるタンニンには鉄の吸収を妨げるはたらきが。貧血が気になる場合は、食事の前後1時間ほどは控えめにしましょう。
改善が難しい場合は、鉄剤で補うことも可能です。かかりつけ医と相談してみてください。

